映画のワンシーンを歌に・・・MISSLIM

傑作の「MISSLIM」セカンドアルバムですね。

このアルバムは1974年10月に発売されました。
シングルは「やさしさに包まれたなら」と「12月の雨」です。
その他にも、「生まれた街で」「瞳を閉じて」「海を見ていた午後」「魔法の鏡」など
名曲ぞろいです。




ユーミンの先進性には驚かされることが多いのですが
「生まれた街で」も、そのひとつです。
この歌の主人公は小さなバイクに乗っています。

ホンダロードパルいわゆるラッタッタの発売が1976年で、
ミニバイクあるいはスクーターが大いに売れたのは、それ以降です。
ヤマハパッソル 1977年
ホンダタクト 1980年
スズキジェンマ 1982年
スズキ蘭  1983年


74年に小さなバイクに乗っている主人公って、カッコイイですよね。


さて、
後年のユーミンの曲を聞けばわかることですが、
この頃の曲もフィクションを多用しています。
ユーミンはドラマのワンシーンを思いついて、
そのシーンを表現するためにプロットを細かく用意していきます。

例えば、
ある時、液体が入っているコップを通して見える、向こう側の景色を思いつきます。
その景色に乗り物が入ってきて、移動すると面白いと考えます。
このシーンを思いつき、表現するためにはどうしたらいいだろうと、
ディテールをプロットしていきます。
絵画を描くみたいに。

そして、
液体は水よりも炭酸水のほうがいいかな?泡が出るし。
景色は高台から見たほうがいいし、そうであれば海に限る。
そうすると乗り物は船で、貨物船あたりにしよう。
晴れた午後に海の向こうの方に見えるのは、岬かな。


ここまで来たら、あとはシチュエーションをつくって、曲は出来上がります。
出来上がったあとに見ると、
いかにも以前恋人とを別れ話をしたレストランのことを歌った歌詞となって、
経験談を歌にしたのだな、と思う人が出てきます。

というか、
ほとんどの人がそのように聞いてしまいます。
ユーミンって、そんな経験をしたんだ・・・・!

でも、それって、ユーミンワールドの世界。
ユーミンワールドはトリッキーな出来事に溢れています。

例えば、
山手のドルフィンからは、三浦岬は見えないし、
そもそも三浦岬という地名はないし、(三浦半島、観音崎ならあるけど)
ソーダ水の中を貨物船が通るのを見るのも難しいし。
でも、全てがなんとなくありそう


ユーミンワールドは、現実の地名を取り入れた世界なので、
聞く人によってはつい私小説だと思ってしまいます。
しかし、そこは現実の世界とは違う世界なのです。


そして、ユーミンブランドの確立